APS社の倫理規定と業務行為
I.一般的な指針

  企業というものをややもすれば経済的な面から考えがちですが、企業は人間の集団であると理解することがより現実的でありまた重要なことと思われます。 従って企業には、経済的な責任以外に道徳的、倫理的な責任が伴います。法律を理解し、遵守した上法律の範囲内で慣習に従うとともに、人間の価値観を大切にしなければなりません。
そこで、倫理基準と業務行為に関する本小冊子を作成し、個人の行為が社を代表することを一人一人が自覚できるよう指針を明確にすることにしました。

APSの方針は、以下の一般的な原理に基づいています。

* 正直、誠実であることは、真実であり虚偽や不正のないことをいいます。正直、誠実は不変の価値であって、相対的なものではなく、国境や文化を越えた万国共通の倫理です。この倫理を堅く信じると、倫理上の疑問点はほとんどすべて容易に解決するといえます。

* 倫理とは人間の行動の哲学であり、人類の事象はすべて変化するという公理に基づいています。これは、行為に対する倫理的判断は時間の経過に伴ってあるいは文化の相違によってかならず発生する価値観や習慣の変化に敏感でなければならない、つまり動的でなければならないことを意味しています。本冊子にある内容は引き続き改定、更新されるポリシーをとりあげたまでにすぎません。

* 日常われわれが経験するあらゆる状況に適用できる道徳的行為や倫理的行動すべてを倫理規定に盛り込むことは不可能なことです。最終的には一番大切なこと、つまり個人の良心に訴えなければなりません。

* 利益を追求することと正しい業務行為、倫理的行動を追求することはたんに矛盾していないだけでなく、密接な関係があるといえます。これは、公正でかつ解放され、倫理的にもしっかりした環境において企業が繁栄する可能性がもっとも強いことからも明らかです。そういった環境に寄与することは、APSの健全な成長にも大きく寄与することになります。
II.APSが大切にする価値

  APSが大切にする価値は、会社と役員・エージェントと代表者間の意思の疎通を良くすることにあります。全員がこれらの価値を大切にして実行すると、顧客に対するサービス提供能力を向上でき競合力を強化できるので、長期的な成功の可能性がいちだんと強化されます。これらの価値を記述するために使用する言葉は時代とともに変わるかもしれ
ませんが、価値そのものの概念は会社を支える基準としていつまでも残ることでしょう。


誠実であること。
  APSは「誠実」を特に大切であると考えます。何事においても誠実でなければなりません。

互いに尊敬すること。
  地位や役職にかかわりなく、相手を尊敬し相互に助け合います。アイデアの良否は、発生源によってではなくアイデアそのものが持つメリットによって判断します。

チームワーク
  社内における競合を協力と信頼で置き換えるよう努力します。各自の行動の評価は、社内共通の目標に対する貢献度によって決定されます。

コミュニケーション
  機密の情報以外の情報を効果的に共有します。

雇用機会の均等性
  人種、宗教、国籍、性、年齢、身体障害、あるいは個人的なつながりにかかわりなく雇用機会の均等性を追求します。


以上はAPSの業務行為の指針であり、この後に詳細を記述します。それぞれのレベルにおいてこれらの倫理を守ることが大切になります。
III. APSと法律

一般
  営業を営む場所にかかわりなく、当社の業務に関係のあるすべての法律の条文とその精神に基づいて行動しなければなりません。

  法律や規定が曖昧であったりまたその解釈が困難な場合がありますが、そういった場合には、法律の専門家の意見を仰ぎ、効力のある法律や規定にかならず従わなければなりません。

  法に従うということは、法にある条項をたんに守るということではなく、法律の責任を果たすことはもちろん、APSに関連のあるすべての法律の条文を完全に遵守するとともにその精神をじゅうぶんくみとって法的責任をまっとうする企業であると認められるよう社の業務を遂行することが必要です。

独占禁止法
  APSが事業を行うそれぞれの国には通常、独占禁止法と呼ばれる営業制限を禁止する法律があります。APSは、関係諸国また欧州経済共同体のような機構の独占禁止法のうち当社の活動に関係のあるすべての独占禁止法を積極的に遵守します。

  独占禁止法の詳細は国によって変わりますが、日本の独占禁止法に規定されている制限事項が代表的なものといえます。この法は、営業を制限する契約、同意、行動、つまり一般消費者に益をもたらすことなく競合を妨げる行為を禁止しています。日本の法律に明らかに違反すると判断される契約や活動をしては、競合する事業者が価格を談合して設定
したり操作すること、特定のサプライヤーや顧客をボイコットすること、製品、テリトリー、市場を割り当てること、製品や製品ラインの生産や販売を制限することなどがあげられます。この種の取り決めや同意は公共ポリシーはもちろんAPSのポリシーに違反するものです。APSの役員、エージェントは、独占禁止法に違反する内容を他の企業関係者と話し合うことをぜひとも回避しなければなりません。また、独占禁止法に違反する内容を他の企業関係者が持ちかけた場合には、社の法律顧問に報告することが必要です。

  サプライヤーや顧客との独占的な取引、抱き合わせ販売やその他の制限的な内容、相違価格やその他顧客間の販売条件を含む契約や取り決めは、日本の独占禁止法に違反することがありますので、法律顧問に相談したうえ承認を受けて決定することが大切です。日本の独占禁止法は、日本の輸出入に関連する海外における事業や国際取引にも適用されま
す。

  独占禁止法は複雑であるため、同法に関連する内容について疑問が発生した場合には社内の法律部門のアドバイスを受けることが不可欠となります。

政府との契約
  APSは国の如何を問わず政府機関に対する商品の納入や業務の提供に関連する法律、規則、規定を遵守します。政府機関との取引に際しては公正かつ倫理的に競合に参加します。役員、エージェントは、情報源を問わず調達に関する政府の情報ならびに情報の提供が政府によって認められていないと判断される状況において競合業者について情報を入手するこころみを行ってはなりません。

  取引の交渉にあたる役員、エージェントは、顧客に対してつねに正確かつ真実である文書、通信、情報を提供しなければなりません。

  政府との取引については、国家公務員に対して有償の物品をいっさい贈呈してはならないことをAPSのポリシーとし、関連あるすべての規則や規定を遵守することを基本とします。

政治献金と政治的な支持
  APSは、企業として立候補者や政党を支持したり献金することを禁じています。
ただし、役員、エージェントが希望する場合には支持する立候補者や政党に個人的に支援活動や寄付などを行って政治のプロセスに参加することをAPSは奨励します。
IV. APSと業務行為に関するポリシー

経理的に正直であること
  非倫理的な目的のために社の資金や資産を使用すること、APSやその子会社の資金、資産を記帳、計上しないで充当、維持することはその目的にかかわらず禁じられています。また、APSやその子会社の会計簿や記録に不正な記帳を行ったり、申告した以外の目的に使用することがわかっている経費あるいはその可能性がある経費の支払や承認を行ってはなりません。

業務上の礼儀として行ってもよい接待や贈呈
  政府関係者以外との取引業務において、飲食やその他の接待を行うことは一般に認めています。APSの役員、エージェントも顧客と業務を打ち合わせるときに、飲食物によるもてなしや接待を限られた頻度と妥当な範囲内で行うことはさしつかえありません。「妥当な範囲」を具体的に金額ではあらわせませんが、接待が過剰かどうかまた高頻度であるかどうかは常識によって判断することが必要です。しかし、飲食、接待あるいは製品の贈呈は、あくまで接待を受ける顧客が所属する企業や団体の業務行為の規定を超えるものであってはなりません。

  APSでは、商談の成立を目的としないで製品を紹介するような場合をのぞいて、商談を成立させるために贈り物を個人、企業、団体に送ることを禁じています。ただし本ポリシーは、当社の販売促進に貴重な時間を充当してくださる潜在顧客に感謝のしるしとして謝意を表す程度の物を送るような慣習を禁じるものではありません。

  飲食物、接待の経費を計上するAPSの役員、エ−ジェントならびに経費を承認する代表は正しい判断力と注意力によって経費の業務上の正当性を確認し、妥当な範囲でわいろや不正な取引と解釈されないように心しなければなりません。

  また業務の対象が政府の機関である場合のAPSの基準は、一般商取引の基準よりもさらに厳しいものであることを念頭においてください。例えば、取引担当者が国家公務員である場合には、有償の物品をいっさい贈呈してはならないことがAPSのポリシーです。APSは、事業を営むそれぞれの国における政府関係者に対する謝意に関する法律、規則、規定をかたく遵守します。

  業務上の礼儀としての接待や贈呈は、いかなる場合においてもそれを受ける者に不正な判断をさせ不正な優遇措置を受けることを意図するものであると解釈されてはなりません。業務上の礼儀が妥当であるかどうかは、該当行為が公にされた場合でもAPSや受取人が困惑するかしないかを考慮することによって最終的に判断できます。
業務上の礼儀として受けてもよい接待や贈呈
  APSの役員、エージェントは顧客と業務を打ち合わせる場合に、飲食物によるもてなしや接待を限られた頻度と妥当な範囲内で受けることはさしつかえありません。「妥当な範囲」を具体的に金額ではあらわせませんが、接待が過剰かどうかまた高頻度であるかどうかは常識によって判断することが必要です。

  飲食物によるもてなしや接待が妥当なものであり優遇措置を強いるものであると解釈されないように注意することは飲食物や接待を受ける個人の責任となります。

  APSと取引のあるあるいは取引を求める個人、企業、企業の代理人から広告宣伝物以外または名目以上の贈り物を受け取ってはなりません。APSの役員、エージェントは、一般に認知されている銀行や金融機関から市場の利率と条件に基づいて受ける一般融資以外は、APSと取引のあるあるいは取引を求める個人、企業、企業の代理人から融資、融資の保証あるいは支払を受けてはなりません。また、APSの業務に関連のないサービス、宿泊費、旅費などは金額にかかわらずいっさい受け取ってはなりません。

利益の衝突
  「利益の衝突」とは、APSの各役員、エージェントがAPSの利益を客観的に追求する能力を損なうような状況や環境をいいます。APSの役員、エージェントはAPSに単に忠実であるだけでなく、社の利益に相反することなく忠実の精神を困難なく発揮できることを期待されています。

  APSの各役員、エージェントはAPSの利益と相反するあるいは担当業務と相反する恐れのある金融関係、業務関係、その他の関係を回避しなければなりません。APSの各役員、エージェントは、個人的な利益と会社の利益とが衝突する疑いをもたれることすら回避するよう行動しなければなりません。

利益の衝突は様々な場合に発生することがあります。以下はAPSの利益と相反する役員、エージェントの行動例です。
役員について
*APSに勤務すると同時に競合する企業に雇用の性格を問わず従事すること

*役員、エージェントまたはその家族が所有あるいは管理する企業と取引関係を持つこと

*APSの競合業者または販売先である企業の所有権を持つことまたはそういった企業への実質的な投資を行うこと。

*APSの顧客や販売先のコンサルタントとして行動すること。

エージェントについて
*APSの販売先導権を利用あるいは提供して競合業者の製品を販売すること。

  利益の衝突と解釈される場合も容易に発生しえます。会社の利益と衝突する場合あるいはその恐れがあると思った場合には、役員、エージェントは、その全詳細をメモにまとめて役員の場合は代表者に、エージェントの場合は営業責任者に報告しなければなりません。利益の衝突は偶発的にあるいは予期しない場合にも発生しますが、その場合には代表者、または該当する営業責任者に直接報告してください。

機密情報の重要性と取り扱い
  役員、エージェントが社の業務に携わる過程で入手した機密情報を私的に利用して益をうけることはAPSのポリシーで禁じられています。さらに役員、エージェントは、社の製品企画、営業の方針ならびに方法、顧客や潜在顧客のリストを含む社の機密情報を保護する義務があります。

競合業者に関する情報の収集
  役員、エージェントが公開されている情報を利用して競合する製品や業者ならびにその活動について調査することは正当なことです。一方、競合業者に専有権のある情報や、非倫理的な方法で競合業者についての情報を役員、エージェントが収集しようとすることは不正なことです。

社の資源の使用について
  社の財産を私的な目的に利用したり、正当な許可を受けずに販売、貸与、贈与あるいは処分してはなりません。APSのすべての資産は在職中、退職後ともに、正当な目的のために使用しなければなりません。不正な使用には、コンピューター機器、ソフトウェア、データを含むAPSの資産、データならびにその他の財産を許可なく私的な目的に充当あるいは使用することが含まれます。
V.APSと公共

APSと役員、エージェントとの関係
  APSは、人種、宗教、国籍、性別、年齢、身体障害あるいは私的な組織加入などに関係なく雇用機会均等の原則を擁護し、本ポリシーをすべての営業拠点において法律で許される限り促進するよう努めます。性別による差別には異性間、同性間の性的いやがらせを含みます。また労働意欲をそそり、充実感を味わえるような職務内容を構成するよう努めます。

  APSは、職務の内容、成績および就業年数に応じて賃金、給料、その他の手当や給付のかたちで報酬を支払うことを目標としています。

  役員、エージェントに関係のあるポリシー、計画、進行状況についてはお知らせします。またAPSでは、業務の改善につながるアイデアをも含め、役員、エージェントが仕事に対して意見を述べることを推奨します。それぞれの役員エージェントを公平にかつ正当に処遇することは社の目標です。

顧客との関係
  APSの繁栄は、顧客のニーズを満足させること、そして満足度以外のなにものにも依存していません。市場における当社の魅力は企画力、適正な価格設定によって価値ある商品を販売するという認識、そして製品や営業活動の適性と誠実さを基礎にしなければなりません。

APS進出先社会との関係
  APSの海外進出においては、それぞれの国に対する責任があります。責任の一部には、例えば国によって異なる法律や習慣を理解するとともに遵守し、社会に融合し、外国人としてではなく市民として行動し、我々が生活し仕事をする社会に責任をもって貢献しないかぎりAPSの存在は歓迎されないことを念頭におくことがあげられます。

処罰
  APSの強みは、それを構成する人にあります。幸いなことに才能があり、エネルギーに満ちたAPSパートナーに恵まれ、それぞれが本業務倫理推進プログラムに真剣に取り組むことを強く信じています。さらに業界において指導的優位を確立するには本プログラムの規定を守らなければならないことをそれぞれが認識すると信じます。

  APSに所属する各自が責任をまっとうすることを信じる反面、業務倫理規定に違反することが許されないことを明確にしておかないことは不注意なことです。規定に違反するものは処罰されます。本規定は当社が大切にする価値の中でもとりわけ大切であるため、本規定に違反する行為に対する処置はAPSとの関係を終結してもらうことしか考えられません。

最後に本業務倫理推進プログラムは、業務行為とビジネス倫理を今まで以上に重視し、恒常的に取り組みつつある世界中の企業の中で、APSがその先頭に立つことを目的としたものです。
本プログラムを成功させるために協力をお願いします。

APSインターナショナル
代表取締役 藤 原 歳 久

APS International Inc.
アプスインターナショナル