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EXPOグローバルネットワーク

海上の森における事業展開策

1.里山文化の博物館

 海上の森は里山として保全することが望ましいと考えられる。ただし、里山保全の動きは全国各地でみられるため、万博独自の施策展開を検討する必要が高い。ここで現代の里山の役割について考慮すると、現代生活における里山の直接的な必要性はほとんど無くなってきているため、画一的に従来の里山を復元する必然性は薄いものと考えられる。実際に全国各地で行われている里山保全活動の状況をみると、各自が目標が定まらないなかで暗中模索しながら、里山に手を加えている例も散見される。
 こうした状況のなか海上の森においては、「自然放置林」「従来型里山の復元」「希少種の植物の繁殖」「昆虫・野鳥の繁殖」「子どもの野外学習」「森林浴などリラクゼーション」など里山の多様な潜在的可能性を見出し、各区でそれぞれの目的に特化した里山づくりに取り組み、海上の森全体で里山文化の博物館を形成するような展開が想定される。このような展開と同時に住民の主体的参加を募り、里山文化の保全とともに、より幅広い環境関連問題への取り組みの基盤を固めていくことが考えられる。


2.「自然の叡智の森」探検ツアー

・10人程度の観客で探検隊を組み、日本の昔話に出てくるような木こりの扮装をしたガイド役が付いて、海上の森全域にわたる「自然の叡智の森」の探検に出かける。
・ガイド役は途中で、森の植生等について説明を加え、里山と人間の関係について語る。
・「自然の叡智の森」の最深部に「聖地」を設け最終目的地とし、地球を救う力を持つと伝わる「自然の叡智」を宿す秘宝を手に入れることを探検隊のミッションと設定する。
・森の各所で、日本に古来から伝わる伝説の生き物が出現する。例えば、赤鬼青鬼、天狗、妖怪、鳳凰、絶滅種の化身等が現れ、日本舞踊など日本の伝統芸能を取り入れたパフォーマンスを繰り広げ、時には観客を脅かす。
・こうしたパフォーマンスで、日本の郷愁心を誘い、外国人にエキゾチックな好印象を与える。
・探検隊は、彼らの協力がなければ先に進めない。ところが、彼らは自然破壊を続ける人間を恨んでおり、そう簡単には協力してくれない。
・そこで探検隊の各員は、彼らの言葉に耳を傾け、話し合い、環境保全に対する誓いを一つずつ立てることにより、次なる道に導いてもらう。誓いを立てない人はその時点でお引き取り願う。
・最後に辿り着いた聖地に、10人の「自然の叡智の化身」が降臨し、探検隊の立てた誓いを再確認した後、地球を救う「自然の叡智」の秘宝を各人に手渡す。
・秘宝は、少し濁ったリサイクルガラスでできた、地球をかたどった手の平大のガラス玉。地球の自然は壊れやすく、汚染が進みつつある。地球を救うのは秘宝を手にする一人ひとりの心がけであることに改めて気づいてもらう。
・このガラス玉は限定品として厳重に管理し、偽造できない工夫を凝らし、この探検隊に参加しなければ手に入れられないようにして、参加意欲を高める。
・「自然の叡智の化身」には、国内外の著名人のボランティア参加を募り、話題性を高める。 


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